「チ。ー地球の運動についてー」は、2024年10月から放送されている話題のアニメとなっています。その2章から登場する才女・ヨレンタは、卓越した行動力や常人離れした聡明さから作中屈指の人気キャラです。
今回は、そんなヨレンタの最期や彼女の父親・ノヴァクとの関係についてご紹介していきます。気になる方はぜひ最後までチェックしてみてください。
ヨレンタは死亡したとノヴァクに嘘を告げられる
ヨレンタは天文学の研究をしている研究者ですが、女性だからという理由でまわりから軽んじられてしまいます。ですが、その頭脳は他の研究者と比べてとても優れており、友人が出した難しい問題をわずか半日で解いてみせました。
ノヴァクとはごく普通の親子ですが彼は自分の仕事について娘に明かしておらず、また彼女が地動説を支持していることにも気付いていませんでした。ヨレンタの方も、他人から教えられて初めて父親の仕事が異端審問官であることを知ります。
それを知ったのは地動説を説いてくれた、一緒に地動説について研究するバデーニとオクジーをノヴァクに紹介した後でした。そのために2人は処刑されてしまい、ヨレンタ自身も異端者の疑いをかけられて拷問を受けてしまいます。
拷問によって死にかけていた彼女はすんでのところでまだ新人だという異端審問官に助けられ、逃げ出すことに成功しました。しかし、ノヴァクには「娘は異端者として処刑された」という嘘が教えられ、形見として彼女の手袋を渡された彼は娘との思い出を振り返りながら泣き崩れます。
25年後ヨレンタは異端解放戦線の組織長に
第3章に入ると、異端者と呼ばれてきた人々を解放するための異端解放戦線という組織が登場します。ヨレンタはその組織の組織長になっていました。
逃亡してから25年の時が経ち少女から大人の女性に成長した彼女は、凛々しい雰囲気を身にまとっています。オクジーが残した本の内容を知ったヨレンタが「やっぱり、文字は奇跡ですね。」と呟いた場面では、これまでずっと戦い続けてきただろう彼女の切実な想いが垣間見えるでしょう。
彼女が異端解放戦線を組織していたのには、地動説を世間に広めたいという目的がありました。ヨレンタにとっての地動説は追求していくべき真理であると同時にかつての友人たちが守り抜いた大切なものでもあり、だからこそ活版印刷による本の出版にその命を懸ける覚悟を持っています。
ヨレンタはノヴァクに追われ自爆して死亡
ヨレンタは最終的に、自爆によって自らを犠牲にすることで自分たちの活版印刷機を守ります。組織長である自分が命を絶つことで追手を足止めし、仲間たちに追手がかかることなく印刷所に向かえるようにしました。
作中の世界観であれば自死することはおそらく神に背く大罪のはずですが、それでも彼女は自分が信じた地動説のために壮絶な最期を選んだことになります。ノヴァクは爆発の瞬間に一瞬何かを目撃し、その後爆発によって人間の片腕が吹き飛んできたのを目の当たりにしたことで異端解放戦線のトップが命を落としたことを知りました。
彼はここで初めて、自分が対立してきた異端解放戦線のトップが処刑されたはずの娘・ヨレンタだったことに気付きます。そして、最期の瞬間炎に包まれたノヴァクは、ヨレンタが無事天国に行けますようにと父親として娘の冥福を祈りました。
ノヴァクはヨレンタの死を手袋や腕で気付いた?
爆発によって吹き飛んできた片腕が娘のものだとノヴァクが気付いたのは、自分がプレゼントした手袋をつけていたからです。ヨレンタは、幼いころから冬でも一日中寒い部屋で勉強することができるほど勤勉な少女でした。
ノヴァクはそんな娘の勤勉さや優しさに感動し、冬の間の勉強も捗るようにと手袋をプレゼントすることにします。ただ、注文の際に行き違いがあったようで届いた手袋は大人用だったため、まだ幼いヨレンタには大きすぎました。
お父さんが私のために手袋をくれると喜んでいた彼女は届いたのがブカブカの手袋だったことにショックを受け、ノヴァクと喧嘩になってしまいます。半ば八つ当たり気味に「神様が悪い!」と言ってしまった娘を信心深い彼はきつく叱責しましたが、すぐに謝罪して和解しました。
この一件以来父子はますます絆を強め、ヨレンタが14歳になって家を出て仕事をするようになってからもずっとこの手袋を愛用しており大切にしていたのです。
ノヴァクも最後は死亡する
地動説は異端だと信じて疑わなかったノヴァクは、「地動説が異端だという根拠など存在しない」という衝撃的な事実をアントニ司教から告げられます。地動説を唱える人々への迫害はアントニ司教の父親による私怨であり、彼はそのために利用されていただけでした。
絶望したノヴァクはアントニ司教を殺害し、次いでドゥラクも手にかけようとしたところを逆に刺されてしまいます。その後、正しいことをしてきたつもりが自分のほうが「悪役」だったと思い知らされた彼は、教会に火を放って燃えさかる炎の中で最期を迎えました。
最期を迎える直前に自身が異端審問を行って処刑したラファウの幻影と言葉を交わす場面では、思わず胸が締め付けられます。
まとめ
今回は、「チ。ー地球の運動についてー」のヨレンタについてご紹介してきました。異端審問から逃げ出して25年間お互いに生きていることを知らなかった父・ノヴァクと最期の刹那に再会したヨレンタ。
2人はお互いのことをとても大切にしていた一方、最期まで本当の意味で理解し合うことはできませんでした。地動説を巡る物語が気になった方は、ぜひアニメや原作をチェックしてみてください。